簡易的重心動揺度測定法の試用と運動指導への応用について
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.6 Vol.6】
摘要
健常な成人男性34名,女性16名を被検者として,起立調節能力を簡易的に評価する方法について2台のヘルスメータを使用した実験を行なった.簡易法によって得られた成績をグラビコーダによる成績と比較し,その妥当性を検討するとともに,体力測定及び形態計測等を実施し,起立調節能力に関与する因子について分析を行ない,以下のような知見を得た.
1)簡易法による最大変動値はグラビコーダによって得られた重心動揺軌跡長,重心動揺面積及び年齢と有意な正の相関関係が認められた.
2)重心位置は男女とも背筋力と有意な相関関係が認められた。
3)体力測定の結果が高得点の群では,開眼時から閉眼時への重心動揺度の増加率が低かった.
4)日常の運動習慣のない非運動群では,重心位置が有意に瞳方向に位置していた.
以上のような結果から,起立調節能力に関して,動揺度は本簡易法で,重心位置は背筋力計による測定値で,それぞれ推定することが可能であると思われた.また,運動が起立調節能力の維持・向上に有効である可能性が示唆された.
「デサントスポーツ科学」第6巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
健常な成人男性34名,女性16名を被検者として,起立調節能力を簡易的に評価する方法について2台のヘルスメータを使用した実験を行なった.簡易法によって得られた成績をグラビコーダによる成績と比較し,その妥当性を検討するとともに,体力測定及び形態計測等を実施し,起立調節能力に関与する因子について分析を行ない,以下のような知見を得た.
1)簡易法による最大変動値はグラビコーダによって得られた重心動揺軌跡長,重心動揺面積及び年齢と有意な正の相関関係が認められた.
2)重心位置は男女とも背筋力と有意な相関関係が認められた。
3)体力測定の結果が高得点の群では,開眼時から閉眼時への重心動揺度の増加率が低かった.
4)日常の運動習慣のない非運動群では,重心位置が有意に瞳方向に位置していた.
以上のような結果から,起立調節能力に関して,動揺度は本簡易法で,重心位置は背筋力計による測定値で,それぞれ推定することが可能であると思われた.また,運動が起立調節能力の維持・向上に有効である可能性が示唆された.
「デサントスポーツ科学」第6巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 外山寛*1, 田中弘之*2 |
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大学・機関名 | *1 山口女子大学, *2 東京学芸大学 |
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