信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 血中逸脱酵素活性値を指標とした運動処方確立のための基礎的研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.7 Vol.7

 要旨

 血中逸脱酵素活性値を指標とした運動処方を確立するための基礎的資料を得ることを目的として,Wistar系雄性ラットを対象とし,ほぼ100%VO₂maxに相当するランニングを行なわせた際の組織中,動静脈血清中における各種酵素活性値の消長を継時的に検討した.
 その結果,動静脈血清中酵素活性値の消長は,運動に伴う組織の器質的障害に起因する逸脱現象と考えられる上昇を含み,二相性の変動を示す骨格筋由来のCK,LDH,MDHと,組織内の代謝冗進により一過性の上昇を示すCK-MB,α-HBDH,GOT,GPTの2種類に分けて考えることができた.両者の血中への逸脱の機序が異なるか否かは明らかではないが,血中逸脱酵素活性値は極めて特異的に運動に対する組織の負担度を反映していることから,運動処方に活用することが可能かつ有益であると思われる.

「デサントスポーツ科学」第7巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 竹倉宏明*1, 田中弘之*2
大学・機関名 *1 東京学芸大学, *2 鳴門教育大学

キーワード

血中逸脱酵素活性値運動処方動静脈血清中酵素活性値