信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 呼気中アセトン等を指標とした運動負荷による体重減少効果に関する研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.9 Vol.9

 要約

 本研究では, 健常な医学生6名を被検者とした.運動負荷によって体重(脂肪)の減少が認められているが糖質と脂質代謝の関係は微妙であり,運動負荷後に摂取する飲料等によって大きく変化した.脂質代謝の指標として呼気中アセトンに注目した結果,安静時の呼気中アセトンの変動は約2倍の経日変化で,n=16,範囲0.9〜2.8μg/l,平均1.8(±0.6)μg/lであった.3kmの運動負荷後から何も与えない場合には,呼気中アセトンは最高27.4μg/lに達する1例があったが全体として60〜90分後に高値となる傾向であった.これらは肥満度とは対応しなかった.
 運動負荷後,さらに生理食塩水を飲用した場合は,呼気中アセトンはほとんど変化せず血清グルコースの変化は30〜60分まで増加した.そのうちの1例は呼気中アセトンと血清グルコースとの間に有意の相関(p<0.05)が認められた.呼気中揮発成分に注目する方法は個体差による変化などについて極めて詳細に追跡できる利点のあることが確認された.

「デサントスポーツ科学」第9巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 仁木安之
大学・機関名 信州大学

キーワード

呼気アセトン血清グルコース