信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF “さか上がり”の動作分析ならびに補助ベルトの効果

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.10 Vol.10

 要旨

 1.低鉄棒での“さか上がり”動作を分析した結果から,その重要な指導のポイントとして,①両脚の離床前までに腰をできるだけ鉄棒に近づける,②両脚の離床直前から肩の後方回転を開始し離床後は積極的に後方に回転させることである.また,③順手は腰を鉄棒に近づけやすく,両脚の離床後に肩の後方回転が大きくできるという2点から逆手より有利である.
 2.腰を鉄棒に固定した状態での積極的な回転動作を安心して学習できるような補助ベルトを試作し,応用したところ,次のような効果および反応がみられた.
 (1)補助ベルトを用いて低鉄棒で各種の回転運動を試みさせたところ,回転速度を得やすいように膝関節の屈伸動作が積極的にみられるようになった.
 (2)小学校4年生に,補助ベルトの使用方法の説明をした後,自由に使用させたところ
 ①試みられた運動は“前まわり”,“後ろまわり”,“さか上がり”の順で多くみられた.
 ②補助ベルトを使ってみた感想は,70%近くの児童が回転運動に対する恐怖感をあまり持つことなく,80%以上が使ってみて「おもしろかった」と答えた.また,90%の児童が今後も機会があれば「使ってみたい」と思うほどの興味を示した.

「デサントスポーツ科学」第10巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 油谷精三郎*1, 吉澤正尹*2, 宗倉啓*2, 大谷光雄*3, 片山正徳*4
大学・機関名 *1 福井県勝山市立成器西小学校, *2 福井大学, *3 福井市春江町立春江小学校, *4 福井県鯖江市立立待小学校

キーワード

低鉄棒さか上がり補助ベルト肘関節