信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 低温プラズマ処理によるスポーツ衣料の機能性向上に関する研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.10 Vol.10

 要旨

 綿,ナイロン6,ポリエステル布に3種のウレタン樹脂をコーティングし,さらにO₂,H₂,N₂,CF₄,CHF₃,CH₄ガス気流中で低温プラズマ処理を行った,得られた加工布のはっ水性を検討するとともに,水接触角を測定し,さらにZismanプロットより臨界表面張力γc(max)を求めた.ウレタン樹脂加工布のはっ水性はCF₄,CHF₃プラズマによって顕著に増大した.低温プラズマ処理した表面の耐洗濯性を調べるために,洗浄,乾熱処理をくり返した試験布についてはっ水性を検討した結果,ソーピングによってはっ水性は低下するが,乾熱処理によってはっ水性はまた回復することが明らかになった.またウレタン樹脂加工布の汚染性を調べるために,乾式汚れと再汚染について検討した.乾式汚れはウレタン樹脂加工と低温プラズマ処理を併用すると,原布および樹脂加工布に比べていずれの場合にも防汚性が向上し,とくにCF₄,CHF₃プラズマでは著しい改善が認められた.また再汚染性も低温プラズマ処理によって低下することが明らかになった.

「デサントスポーツ科学」第10巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 高岸徹*1, 土井千鶴子*2, 陳杰瑢*3, 明石国弘*3, 脇田登美司*3
大学・機関名 *1 大阪府立大学, *2 兵庫県立姫路短期大学, *3 京都工芸繊維大学

キーワード

低温プラズマ処理はっ水性水接触角臨界表面張力ウレタン樹脂加工