運動による免疫能老化防止に関する研究
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.10 Vol.10】
要旨
中高年齢者の免疫機能に対する運動トレーニングの効果を検討するためにリンパ球サブセット(OKT3,OKT4,OKT8,OKB2,Leu7),そしてPHA刺激によるリンパ球幼若化試験によって検索した.
その結果,ナチュラルキラー細胞を反映するLeu7は運動トレーニング後著しい減少を示し,それに対して末梢血活性化Tリンパ球を反映するOKT3, 液性抗体の活性化を促進するインデューサー/ヘルパー細胞を反映するOKT4,そして末梢血Bリンパ球の動態を示すOKB2はいずれも増加傾向にあった.また細胞性免疫能の検査に広く応用されているPHA刺激によるリンパ球幼若化試験においても運動トレーニング後に顕著に増加した.さらに,PHAテストにおいて週3回以上ジョギング運動を継続実施しているグループは一般健常者に比して有意に高い傾向にある.
以上の結果および討論から,中高年齢者への運動トレーニングがT細胞動員力の賦活化とT細胞の刺激応答性の増進に役立つものと結論される.
「デサントスポーツ科学」第10巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
中高年齢者の免疫機能に対する運動トレーニングの効果を検討するためにリンパ球サブセット(OKT3,OKT4,OKT8,OKB2,Leu7),そしてPHA刺激によるリンパ球幼若化試験によって検索した.
その結果,ナチュラルキラー細胞を反映するLeu7は運動トレーニング後著しい減少を示し,それに対して末梢血活性化Tリンパ球を反映するOKT3, 液性抗体の活性化を促進するインデューサー/ヘルパー細胞を反映するOKT4,そして末梢血Bリンパ球の動態を示すOKB2はいずれも増加傾向にあった.また細胞性免疫能の検査に広く応用されているPHA刺激によるリンパ球幼若化試験においても運動トレーニング後に顕著に増加した.さらに,PHAテストにおいて週3回以上ジョギング運動を継続実施しているグループは一般健常者に比して有意に高い傾向にある.
以上の結果および討論から,中高年齢者への運動トレーニングがT細胞動員力の賦活化とT細胞の刺激応答性の増進に役立つものと結論される.
「デサントスポーツ科学」第10巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 増原光彦*1, 梅林薫*1, 上勝也*1, 巽典之*2 |
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大学・機関名 | *1 大阪体育大学, *2 大阪市立大学 |
キーワード