信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 運動誘発性アナフィラキシーの治療・予防に関する研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.11 Vol.11

 運動誘発性アナフィラキシー(Exercise-in-duced anaphylaxis ; EIAn)の5症例につき,予防法と治療法を中心に検討を加えた.EIAnの診断に関しては,問診が大切であり,個々の症例に応じた負荷テスト(運動・食物)が必須であると考えられた.しかしながら負荷テストを実施しても,必ずしも症状は再現されなかった.EIAnの予防的治療としては,食物依存性の場合,運動前後での原因食物除去が有効であった.食物に,非依存性の場合は,運動制限が最も確実な予防法であるが,極めて重症な例では,抗ヒスタミン剤等の薬物が効果を示さずに,日常生活範囲の運動量でも症状が誘発されることがあり,管理の難しさが示唆された.症例により,体内金属(蠕歯中のアマルガム)の除去が著効を示した例や,NaHCO₃の前投与が有効な例があった.

「デサントスポーツ科学」第11巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 勝沼俊雄,飯倉洋治,岩崎郁美,大宜味亜矢子,橋本光司,赤沢晃
大学・機関名 国立小児病院

キーワード

運動誘発性アナフィラキシー予防法治療法