信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 身体トレーニングが高齢者の心臓機能,形態に与える影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.11 Vol.11

 持久性トレーニングの継続により生じる心臓機能および形態の適応性変化に加齢が及ぼす影響を明らかにするため,高齢長距離走競技者(OR:n=10;65.1±2.5yrs),高齢対照者(OC:n=11;64.6±4.2),若年長距離走競技者(YR:n=15;18.2±0.4)そして若年対照者(YC:n=18;20.9±1.3)の4群に対し,心臓超音波検査を行ない検討した.OR,YRの安静時心拍数は,それぞれOC,YCに比較し有意に低値であった.YRでは,左心室壁の肥大と左心房,左心室の拡大が認められたが,ORとOC間には,心形態に差は認められなかった.左心室収縮機能は4群間で差がなかった.持久性トレーニングの継続による安静時心拍数の低下は高齢者でも若年者の場合と同様に認められたが、心臓の形態的変化は高齢者では認められず,持久性トレーニングに対する心臓の形態的な適応現象は加齢により生じ難くなることが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第11巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 松尾史郎*1, 樋口満*1, 赤塚宣治*2
大学・機関名 *1 国立健康・栄養研究所, *2 国立病院医療センター

キーワード

持久性トレーニング心臓機能加齢高齢長距離走左心室収縮機能