信州大学 繊維学部技術データベース

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PDF 中高年女性における運動習慣の頻度が血中過酸化脂質,およびリポタンパクに及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.12 Vol.12

 中高年女性における運動習慣の頻度が安静時の血中過酸化脂質,およびリポタンパク水準に対して,どのような影響を及ぼすか検討した.被検者は運動群として,週2回以下の運動実施者(TA群)7名,および週3回以上の運動実施者(TB群)8名であり,その対照群としては定期的な運動を実施していない同年齢の健康な女性である.
 その結果,
 1)血中トリグリセライドは非運動群よりも両運動群で低水準にあり,TB群と非運動群との間に有意差を認めた.
 2)HDLコレステロールは非運動群よりも両運動群で有意に高値を示す.
 3)LDLコレステロール/HDLコレステロール比は運動頻度が高くなると低下する傾向にあり,TB群は非運動群との間に有意差を認めた.
 4)TB群における血中過酸化脂質は非運動群,およびTA群よりも有意に低値を示す.
 以上の結果から,運動習慣による血中脂質,リポタンパクの改善効果は運動頻度の高い方が,より顕著であることが示唆された.また,週3回以上の運動習慣は細胞の退行性変化を抑制させる可能性が示唆された.

「デサントスポーツ科学」第12巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 星秋夫*1, 松田一如*1, 金場昭範*2
大学・機関名 *1 日本歯科大学, *2 東京理科大学

キーワード

中高年女性運動習慣血中過酸化脂質リポタンパク