信州大学 繊維学部技術データベース

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PDF 腕運動における非定常状態のガス交換応答動態

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.13 Vol.13

 腕運動における非定常状態のガス交換応答動態の研究は数少ない.腕運動の定常状態では脚運動のそれに比べて静脈還流が阻害され乳酸量もより高いことから,第1相および第2相の応答動態に差異が生じると予想された.この仮説を検証するために,5人の被験者による腕クランキング(25,37,50W)と脚ペダリングの運動(25,50,150W)およびVo₂max50%の強度による運動を行なった。
 ブレス・バイ・ブレスによる肺胞ガス交換測定と心拍数(HR)の測定を数回反復した.安静時かeら第1相にいたるVo₂の増加はすべての負荷強度で腕運動の方がより低くなった.第1相では腕運動のより高いHRが認められ,心拍出量と一回拍出量の増加制限が示唆された.Vo₂の平均応答時間(MRT)は腕運動において各負荷強度でより大きくなったが,同一の相対負荷強度では有意な差は生じなかった.以上の結果から,第1相と第の2相のVo₂および循環系の応答動態は脚運動のそれに比べて阻害されると考えられた.

「デサントスポーツ科学」第13巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 古賀俊策
大学・機関名 神戸芸術工科大学

キーワード

ガス交換応答動態腕運動脚運動