信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF エアロビックダンスにおける身体への物理的負荷と障害の予防

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.13 Vol.13

 本研究では,ローインパクトエクササイズとハイインパクトエクササイズに大別されるエアロビックダンスのステップについて,その床反力を定量することを目的とした.また,傷害の既往に関するアンケート調査を行い,あわせて傷害予防の観点から検討した.
 床反力測定の被検者はエアロビックダンスインストラクター3名と受講生4名であった.片脚あたりに加わる床反力ピーク値は,ローインパクトエクササイズにおけるランジ(振り出し脚)では3.2BW,ハイインパクトエクササイズにおける両脚ホッピングでは2.4BWであった.このように,ローインパクトエクササイズにおいてもステップによっては瞬時的にハイインパクトエクササイズを越える大きな床反力が加わることが明らかとなった.
 エアロビックダンスインストラクター126名に対して行った傷害調査では,傷害経験者は61名(48.4%)であり,1985〜1988年に行われた同様の調査報告に比べ明らかな減少が認められた.しかし,傷害の76.8%が慢性的(障害)であったことから,依然としてインストラクターにおけるオーバユースなどの問題は残されているといえる.そして,これらの傷害発生は,レッスン時間やエクササイズの時間振り分けと関連なく発生していたことから,傷害予防のためにはレッスン時間や時間振り分けを考慮するだけでなく,それぞれのステップにおける物理的負荷を踏まえた上で,その継続時間に対する配慮を行う必要があろう.

「デサントスポーツ科学」第13巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 若山章信*1, 深代千之*1, 深代泰子*2
大学・機関名 財団法人スポーツ医・科学研究所, 株式会社ザ・ビッグスポーツ体育研究所

キーワード

ローインパクトエクササイズハイインパクトエクササイズエアロビックダンス床反力