信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 有酸素的運動が鍛錬者および非鍛錬者の呼気中炭化水素濃度に及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.13 Vol.13

 本研究は最大運動後の血中脂肪酸組成を鍛練者と非鍛練者間で比較すること,呼気中アセトン濃度と運動強度の関係を明らかにすることおよび運動後の呼気中炭化水素と血中脂肪酸組成の関係を明らかにすることを目的に行った.被検者は5名の長距離選手と5名の非鍛練者であった.トレッドミル最大運動での脂質代謝は非鍛練者より鍛練者において,より充進していることが観察された.血中パルミチン酸は非鍛練者より鍛練者の方が有意に高く,ステアリン酸は鍛練者の方が有意に低い値を示した.これらのことは,長期間にわたる有酸素的トレーニングは筋肉において脂肪酸を選択的に利用するようになることを示唆している.
 運動中の呼気中アセトン濃度は,運動強度(酸素摂取量/最大酸素摂取量)と密接に関係していた.鍛練者において両者の相関係数(r)は0.611(P<0.01),非鍛練者においての相関係数(r)は,0.329(ns),全被検者においてはr=0.401(P<0.05)であった.血中リノール酸と呼気中エタン濃度は安静時と回復期5分で有意に高い相関関係が認められ,呼気中エタン濃度は血中リノール酸濃度を反映していることが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第13巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 大桑哲男*1, 伊藤宏*1, 下田次雄*2, 石田直章*3
大学・機関名 *1 名古屋工業大学, *2 中部大学, *3 名古屋自由学院短期大学

キーワード

最大運動血中脂肪酸鍛練者非鍛練者間有酸素的トレーニング