信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 腕の持久力トレーニング効果の全身作業能に及ぼす生理的貢献度

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.13 Vol.13

 本研究の目的は,脚筋群主体の持久的トレーニングを行っている競技選手11名(LTr群),腕筋群主体の専門的トレーニングを行うエリート競泳選手9名(ATr群),トレーニングを行っていない者8名(UTr群)を対象に持久的腕作業能の評価を乳酸性作業閾値(lactate threshold : LT)を指標として試み,LTr群における腕筋群のtrainability*の貢献度を横断的に検討することである.
 腕クランキングにおける最大仕事量(maximal poweroutput : PO max)は,ATr群で有意に最も高く,LTr群においてUTr群より有意な高値を示した.LTは,ATr群で他の群より有意な高値を示したが,LTr群とUTr群との間に有意差は認められなかった.さらに,運動後回復期の血中乳酸(blood lactate : La)の拡散能を検討した結果,Laが最も高い値を示すまでの時間(time to peak La : TPL)がATr群で有意に短かった.
 結論として,LTr群ではLTを指標とする局所的持久性が低いため,中枢応答が最大に達する前に局所の疲労によりall‐outに致ったことが推察され,LTr群における腕筋群のtrainabilityが高いことが示唆された.
 *trainability : トレーニング効果の可能性

「デサントスポーツ科学」第13巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 征矢英昭*1, 彦井浩孝*1, 脇田裕久*1, 八木規夫*1, 高木英樹*1, 冨樫健二*1, 西端泉*1, 浜中健二*1, 野村武男*2, 生田泰士*2
大学・機関名 *1 三重大学, *2 筑波大学

キーワード

持久的腕作業能乳酸性作業閾値腕クランキング最大仕事量トレーニング効果