腰痛症に対し水泳運動の及ぼす機能的影響
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.13 Vol.13】
腰痛症例に対し背筋動作筋電図学的観察と腰痛者水泳教室を実施し,以下の結論を得た.
1.腰痛者の腰背筋筋電図では正常者に比し,陸上において脊柱支持筋活動の劣弱性と左右不均衡が観察され,高周波数領域波(100〜250Hz)の占める割合が高かった.
2.腰痛者のクロール中の筋電図においては,痺痛側背筋筋活動の劣弱性が改善され左右不均衡が軽減し,周波数分布パターンも正常者パターンに近づく傾向が観察され,クロール泳法の腰痛患者に対する有用性が示唆された。
3.一般腰痛群とスポーツ選手腰痛群に対する水泳教室実施前後を比較すると,膝屈筋筋力・脊柱機能検査・日整会腰痛治療成績判定については,両群ともに水中運動療法による有意な改善傾 向が認められ,VO₂max・肺活量・背筋力については,一般腰痛群にのみ有意な改善傾向が認められた.なお選手腰痛群ではより高いレベルまでの改善傾向が認められ.一般選手群では機能回復,選手腰痛群では機能向上による症状改善が示唆された.
「デサントスポーツ科学」第13巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
1.腰痛者の腰背筋筋電図では正常者に比し,陸上において脊柱支持筋活動の劣弱性と左右不均衡が観察され,高周波数領域波(100〜250Hz)の占める割合が高かった.
2.腰痛者のクロール中の筋電図においては,痺痛側背筋筋活動の劣弱性が改善され左右不均衡が軽減し,周波数分布パターンも正常者パターンに近づく傾向が観察され,クロール泳法の腰痛患者に対する有用性が示唆された。
3.一般腰痛群とスポーツ選手腰痛群に対する水泳教室実施前後を比較すると,膝屈筋筋力・脊柱機能検査・日整会腰痛治療成績判定については,両群ともに水中運動療法による有意な改善傾 向が認められ,VO₂max・肺活量・背筋力については,一般腰痛群にのみ有意な改善傾向が認められた.なお選手腰痛群ではより高いレベルまでの改善傾向が認められ.一般選手群では機能回復,選手腰痛群では機能向上による症状改善が示唆された.
「デサントスポーツ科学」第13巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 赤嶺卓哉*1, 田口信教*1, 小笠原悦子*1, 酒匂崇*2 |
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大学・機関名 | *1 鹿屋体育大学, *2 鹿児島大学 |
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