信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 頭部の熱的被覆がスポーツ時の体温調節に与える影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.13 Vol.13

 炎天下で運動すると運動による体温上昇ばかりでなく,太陽からの幅射熱によっても体温が上昇する.頭部は血液循環量が多いことから,生理負担を軽くするためには頭部は幅射熱から遮断されることが望ましい.本研究はどの程度の熱が頭部に加えられると生理反応,とくに鼓膜温と心拍出の量に影響があらわれるのかを安静時,25%Vo₂maxおよび50%Vo₂max作業時において検討した.
 手背の皮膚温は安静時および25%Vo₂max作業時において鼓膜温と正の相関を示した.同様に25%Vo₂maxおよび50%Vo₂max作業時の心拍出量は鼓膜温と正の相関を示した.頭部を加温した時の主な生理的変化は鼓膜温の変化と密接な関係があることがわかった.したがって,幅射熱などから頭部を防護するための帽子の性能を評価する上で,鼓膜温の変化を指標とすることが有用であることが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第13巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 綿貫茂喜
大学・機関名 大阪市立大学

キーワード

運動生理反応頭部の熱的皮膜