信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 競技スポーツ中にみられる不整脈の実態とその対策に関する研究 -スポーツ用携帯型心電図記録木の開発と各種運動中心電図の検討-

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.13 Vol.13

 本研究の目的はスポーツ医学用の小型携帯型心電図記録器を開発し,各種競技スポーツ中の心電図所見を評価することである.
 この記録器はマイクロコンピュータを内蔵しており,小型計量(124×70×22mm,200g)で,高度に動的な運動中の心電図も容易に記録できた.心電図は94名の学生と99名の中高年を対象として各種競技スポーツについて10〜15分間記録した.スポーツは高度動的+高度静的,高度動的,高度静的の3群に分類した.何らかの不整脈が50%以上に認められたものは学生では,剣道,陸上(スプリント),フェンシング,軟式テニス,中高年では,剣道,なぎなた,ランニング,卓球柔道,筋力トレーニングであった.
 認められた不整脈の中では,上室期外収縮が最も高頻度(学生36%,中高年37%)であり,つぎは,心室期外収縮(学生9%,中高年24%)であった.学生と中高年を比較すると心室期外収縮(9%と24%)と上室性期外収縮連発(1%と7%)は中高年で高頻度に認められた.また,上室期外収縮連発は高度動的+高度静的運動(7%)と高度静的運動(8%)で高度動的運動(1%)より高頻度に認められた.
 健康づくりのために市民スポーツが盛んになるにつれて,突然死で代表される運動中の心臓事故が注目されてきている1,2).このような運動中の事故防止のために実際の運動中の心電図を簡便かつ,正確に記録解析する必要性が増してきている.そこで,われわれは,ICメモリーを用いた軽量小型スポーツ用心電図記録機(略称ハートメモ以下ハート目もと称す)を開発し,学生と市民について各種スポーツ中の心電図を検討した3).

「デサントスポーツ科学」第13巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 太田壽城
大学・機関名 国立健康・栄養研究所

キーワード

スポーツ医学小型携帯型心電図記録器を開発不整脈