信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF トレーニング効果と個体差に関する基礎的研究 ― Ⅱ.骨格筋のトレーニング効果と環境的要因

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.13 Vol.13

 トレーニング効果は運動刺激に対し,個体に内在する遺伝情報系がいかに反応を示すかによって決定される.一般的にこの遺伝情報機構の許容能を広い意味でトレーナビリティーと呼ぶことができる.このトレーナビリティーは大きく二つに分けて考えることが雌能である.一つは遺伝的のもので,運動刺激が両方の親から分け与えられた遺伝子に作用し,刺激にあった適応反応を示す形態である.これは遣伝的に決定されたものである.二つめは受精から出生までの潔境的変化に適応した,所謂生来的なものである.つまり遺伝的適応過程が同一の場合は,母体内での適応遍程や生後の環境的因子に作用される場合が多いものと考えられる.すなわち,運動刺激に対する反悠の仕方が母胎内や生後の学習により異なる。このように,トレーナビリティーの個体差は基本的には遺伝的背景を基盤になりたっているが,環境的な要因も大きく影響するものと患われる.トレーナビリティーに対する環境的要園の影響を検討する場合,遺伝的に同一のものが要求される.一般的に遺伝学や心理学等の分野において,実験動物として近交系の動物が使粥されている.近交系とは,兄妹交配を20世代以上反復してできた動物の系統と定義される1).近交系動物は98%以上の遺伝子が同複接合であり,遺伝的には同じものであるとされている1)すなわち,近交系マウスにおいても系統により,基本的に染色体の構造や機構が異なっている.そこでこれらの事実を背景に,同一近交系内雌個体間マウスを用い,環境的因子の筋肥大に及ぼす影響について検討した.

「デサントスポーツ科学」第13巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 山田茂*1, 兵頭圭介*1, 藤巻正人*2, 内間高夫*2, 篠原しげ子*3
大学・機関名 *1 東京大学, *2 財団法人民生科学協会総合研究所, *3 慶応大学

キーワード

トレーニング効果筋トレーニング効果遺伝的要因筋肥大