中高年女性の運動習慣がバランス能力に及ぼす影響について

　本研究は，40歳から76歳の中高年女性を対象として，静的バランスと動的バランスを含む8項目からなる体力テストを実施し，このテスト結果と定期的な運動習慣の有無あるいはその継続年数との関係について検討することにより，中高年女性における運動習慣が，バランス能力に及ぼす影響について明らかにすることを目的とした．その結果，定期的な運動習慣のある中高年女性は，運動習慣のない女性と比較して，バランス能力のみでなく，瞬発九柔軟性および敏捷性において優れていた．
　また，運動習慣の継続年数と静的バランスとには有意な相関を認めたが，動的バランスとには有意な相関を認めなかった．しかし，動的バランスは，下肢筋群のパワーや背筋群の筋力とに有意な相関を認めた．このことから，中高年女性においては，日常生活での運動習慣の有無は，バランス能力に大きく影響すると考える．

「デサントスポーツ科学」第14巻/公益財団法人石本記念デサントスポーツ科学振興財団

研究者名	宮崎義憲1, 栗原三保子2, 大山恵美子*2
大学・機関名	1東京学芸大学, 2 東京都品川区体育指導員

キーワード

中高年女性、体力、運動習慣、バランス能力

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