信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 最大酸素摂取量をより快適に発揮するための自己選択負荷法

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.14 Vol.14

 運動能力を知るひとつの大きな要素となっている,最大酸素摂取量を得るための負荷のかけ方について,これまでの負荷漸増法と,被検者自ら走りながら,スピードを調節する方法(自己選択法)で比較検討した。自己選択法では,トレッドミルを走りながら,リモートコントロールスイッチでスピードの無段階調節を可能とした.最大酸素摂取量を測定するための呼気ガス分析は,一呼吸ごとのブレスーバイーブレス(B×B)法を用いた.
 被検者は,陸上競技の中長距離を専門とする健康な男子大学生で,5,000mを平均14分55秒で走る陸上競技部員であった.自己選択法で得られた平均値は,75.9ml/kg/minで,負荷漸増法の73.5ml/kg/minより大きかった.最大酸素摂取量の発現時間は,自己選択法の方がやや早く,その1分間の一呼吸ごとの酸素摂取量などのばらつきが少なかった.被検者は,スピードの選択に迷う点もあるが,呼吸の安定性が示唆され,走りやすさを感じていた.呼気ガス分析がB×B法を用いることにより,単に測定値を比較するだけではなく,最大酸素摂取量の発現過程についても検討されることが,実際の運動場面で重要になると推察された.

「デサントスポーツ科学」第14巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 原英喜, 大森俊夫, 山田佳弘, 仁平律子
大学・機関名 國學院大學

キーワード

最大酸素摂取量負荷漸増法自己選択法呼気ガス中長距離