信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 衣服素材の汚染と水分特性の変化

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.14 Vol.14

 衣服素材の水に関わる性質が,身体に由来する皮脂や汗などの汚れの付着によって,どのように変化するかを調べた.種々の油性物質,汗の構成成分,タンパク質によってキュプラ織物を汚染し,その吸水性および吸湿性を測定した.キュプラ織物の吸水性は,汚れの付着によって低下し,その低下の程度は,汚れの種類や量によって異なった.飽和油性物質やタンパク質の付着が,吸水性を著しく低下させ,吸水速度の低下も認められた.このような吸水性の変化は,汚れの付着による繊維および織物表面のぬれ特性の変化によるものと考えられる.
 一方,キュプラ織物の吸湿性は,汚れの種類によって,低下する場合と増大する場合の双方が見られた,このような結果は,汚れ物質そのものの吸湿や,汚染によってもたらされるセルロースの水分吸着サイトの変化などに関係すると考えられる.

「デサントスポーツ科学」第14巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 谷田貝麻美子
大学・機関名 東横学園女子短期大学

キーワード

皮脂汚れキュプラ織物吸水性