信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 長時間水泳時での水温条件が生理的諸反応に及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.14 Vol.14

 本研究は,低強度負荷による長時間水泳時での,水温と生理的諸反応との関係について検討した.健常な男子大学生6名を対象に,水温は23℃,28℃および33℃下で,120分間の水泳中での直腸温,各部皮膚温,心拍数,酸素摂取量および血中の乳酸・アドレナリン・ノルアドレナリンを測定・分析した.
 直腸温は,33℃下では,水泳開始約30分後までは数分間の潜伏期を経てやや上昇し,その後は負荷終了時までほぼ定常状態を維持し,23℃および28℃では経時的に低下した.平均皮膚温は,33℃下では水泳開始約15分後までは経時的に上昇し,その後は負荷終了までほぼ定常状態を維持した.23℃および28℃下では,水泳開始直後の数分間は一過性に下降し,その後,負荷終了までほぼ定常状態を維持した.
 心拍数は,23℃および33℃下では28℃下に比較して高かった.酸素摂取量および酸素脈は,23℃下では28℃および33℃下に比較して高値を示した.
 23℃下での,血中のノルアドレナリンおよび乳酸濃度は,28℃および33℃下に比べて,いずれも高い傾向を示した.
 これらの結果は,遠泳などの長時間水泳や,その他の水泳運動が,低強度で実施される場合には,低水温よりもむしろ28℃以上の水温が望ましいことを示唆している.

「デサントスポーツ科学」第14巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 藤島和孝*1, 大柿哲朗*1, 堀田曻*1, 金谷庄藏*1, 清水富弘*2, 正野知基*3
大学・機関名 *1 九州大学, *2 大分大学, *3 別府女子短期大学

キーワード

水泳水温生理的諸反応遠泳