信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF Cuff-Y exerciserの開発

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.14 Vol.14

 肩関節において,腱板機能の獲得を目的とした訓練が,非常に重要であることは以前より報告されており,具体的な訓練方法の報告も散見されるが,臨床上,これらの訓練を正確に行わせても,訓練効果の得られない症例や,逆に症状の悪化の見られる症例を多く経験する.今回われわれは,この腱板機能に対し,どのような訓練方法が最も適切であるかについての検討および,自主トレーニングを行う際の簡易的な機器の開発を目的として,腱板機能について解剖学的,生理学的見地から解析を行った.その結果をもとに,自主トレーニング用訓練機器を試作し,その臨床効果を検討した.
 以上の検討により,1)訓練に際してその負荷量は,症例ごとに決定する必要があり,画一的な訓練方法および負荷量での訓練は症状を悪化させることもあり,腱板とOuter Muscles(三角筋・大胸筋など)との筋活動のバランスが,正常な肩関節機能を遂行するために重要であることが,健常人の結果と比較することにより判明した.2)種々の訓練方法を検討してみると,筋活動のImbalanceが助長されてしまう訓練方法もあり,バランスを保たせることを目的とし,種々の状態の症例に用いることのできる,腱板の基本的な運動を4種類選択し,肩甲胸郭関節の訓練と合わせ“Cuff-Y exercise”と命名した.3)“Cuff-Y exercise”を施行するための,低負荷での自主トレーニング機器を試作し,臨床上試用した結果,おおむね良好な効果が得られた.

「デサントスポーツ科学」第14巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 筒井廣明, 山口光國
大学・機関名 昭和大学藤が丘リハビリテーション病院

キーワード

肩関節腱板機能自主トレーニングOuter Muscles(三角筋・大胸筋)肩甲胸郭関節回旋筋腱板