信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 発育発達にともなうスポーツパフォーマンスの変容に関する縦断的研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.14 Vol.14

 本研究では,7〜9年間継続的に測定を行ってきた,一卵性双生児女子(MZ)および二卵性双生児女子(DZ)の,それぞれ各一組ずつを事例として,個々の発育発達の経過や特徴を身体特性,機能および各種動作様式の変容を中心に,縦断的に検討した.その結果,走動作パターンの変化は,双方ともに2児間ではほぼ類似したパターンであり,追跡対象組の走動作様式は,急激なからだの変化がない限り,大きな変化はみられないようである.走動作は身体特性や機能との関連が強いが,全身持久性能力は,発育発達の完成以降の働きかけ如何によって変わる可能性が示唆された.また,投動作では,MZでは投運動の主動作に先立つ脚,腰の準備動作がほとんどみられず,DZでは最終段階での特徴的な主動作でもある腰や肩のひねり,投方向へのステップが,ごくわずかにみられた程度であった.投動作パターンは,双方とも測定最終年齢の段階ではさほど改善されていないように思われた.一方,泳動作では,特別な働きかけがなされた時のみにパフォーマンスが向上し,泳ぎのかたちの変容は,年齢にともなって必ずしもよくなるとは限らないことが明らかになった.すなわち,水泳運動は個々の学習経験量によって,出来ばえが左右されることが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第14巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 合屋十四秋*1, 天野義裕*1, 星川保*2, 松井秀治*3
大学・機関名 *1 愛知教育大学, *2 愛知県立大学, *3 スポーツ医・科学研究所

キーワード

一卵性双生児二卵性双生児発育発達身体特性動作様式縦断的走動作パターン