信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 運動を用いたストレス対処に関する研究-ストレス反応から見ら効果-

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.14 Vol.14

 本研究の目的は,異文化状況下で強いストレスを感じている日本人留学生を対象に,4週間の有酸素運動が有効なストレス対処の方策となり得るか否かを検討することであった.その効果を確かめる方法としてストレス・プロフィール手続きが用いられ,心理的ストレス課題(暗算課題)に対する生理反応(心拍数:HR,皮膚温:ST,皮膚コンダクタンス水準:SCL,筋電位活動:EMG)がストレス・マネジメント・プログラム前後に測定された.24名の米国内日本人女子留学生が,ストレス・マネジメント・プログラムの種類によって有酸素運動群(AE群),HRバイオフィー・ドバック群(r),および統制群(C群)に振り分けられた.
 その結果,HR反応においては,訓練後ストレス・プロフィール・テストの回復期で,AEおよびBF群がC群より小さな値を示した.しかしながら,他の生理指標に群間差は見られなかった.滞在期間を統計的に処理して群間差を見ると,訓練後ストレス・プロフィール・テストにおいてAE群がC群と比べて有意に小さなHRおよびEMG反応を示した.
 これらの結果から,本研究の有酸素運動は,すべての指標でストレス反応を改善するには十分な訓練期間ではなかったと考えられる.ストレス症状に応じたマネジメント技法が,有酸素運動と関連して議論された.

「デサントスポーツ科学」第14巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 竹中晃二*1, Leonard D. Zaichkowsky*2, 大阪経済大学*3
大学・機関名 *1 岡山大学, *2 ボストン大学, *3 大阪経済大学

キーワード

有酸素運動ストレス対処ストレス・プロフィール手続き生理反応