軽運動が消化管通過時間に及ぼす影響
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.14 Vol.14】
身体運動は便秘に良いとされているが,その科学的根拠は明らかではない.そこで,われわれは,身体運動が食物の消化管通過時間に及ぼす影響について検討した.対象は健常男性10名で,平均年齢は,71歳である.
2週間の安静後と2週間の運動後の2回実験を行った.運動は1日10,000歩以上の歩行とした.全消化管通過時間はカルミン法で,小腸通過時間はラクツロース服用後に呼気中水素を測定する方法で,大腸通過時間はレントゲン葬透過性のマーカーを用いる方法でそれぞれ測定した.歩行運動は,全消化管通過時間を軽度に短縮させたが,小腸通過時間に影響を与えなかった.大腸通過時間は歩行により,19.5±2.9時間から10.9±2.9時間と有意に短縮した(P<0.01).以上から,軽運動は消化管とくに大腸通過時間を短縮させることが明らかになった.
「デサントスポーツ科学」第14巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
2週間の安静後と2週間の運動後の2回実験を行った.運動は1日10,000歩以上の歩行とした.全消化管通過時間はカルミン法で,小腸通過時間はラクツロース服用後に呼気中水素を測定する方法で,大腸通過時間はレントゲン葬透過性のマーカーを用いる方法でそれぞれ測定した.歩行運動は,全消化管通過時間を軽度に短縮させたが,小腸通過時間に影響を与えなかった.大腸通過時間は歩行により,19.5±2.9時間から10.9±2.9時間と有意に短縮した(P<0.01).以上から,軽運動は消化管とくに大腸通過時間を短縮させることが明らかになった.
「デサントスポーツ科学」第14巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 近藤孝晴, 劉鳳, 戸田安士 |
---|---|
大学・機関名 | 名古屋大学 |
キーワード