信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 高齢者の歩行速度に関する検討

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.16 Vol.16

 高齢者の実生活に密着した能力である握九ADL(Activity of Daily Living),歩行数最大歩行速度(10mの距離)を測定した.高齢者(60〜87歳)は,東京都日野市在住の365名(男性26名,女性339名)である.今回は例数の関係により,女性のみを統計処理した.結果はつぎのとおりである.
  ①握力は年齢とともに有意な低下を示した.②ADLも加齢に伴う低下を示した.総点では,70歳以後低下した.歩行数が8,000歩以上の高齢者は,低下が少なかった.③歩行数も加齢に伴う低下を示した(y=-128.06x+16,011.78,r²=0.081,P<0.001).しかし,他の報告に比べ,歩行数は多い傾向にあった.また,個人差が大きく,80歳代まで約12,000歩あった.④最大歩行速度も加齢に伴った変化(減少)を示した(v=1.893x+231,082,r²=0.344,P<0.001).歩行数握力に比べ,最大歩行速度は加齢に伴う変化の相関が高かった,したがって,加齢に伴う運動能力変化をみる方法として,最も適している項目であることが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第16巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 中原凱文, 北川淳, 樋口雄三
大学・機関名 東京工業大学

キーワード

高齢者ADL(Activity of Daily Living)歩行数最大歩行速度加齢運動能力