信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 在宅老人女性のADLと体力に関する縦断的研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.16 Vol.16

 本調査は在宅老人女性の一年間(1993〜1994年)の手段的1(5質問項目)と体力テスト値の経時変化を明らかにするとともに,手段的ADLの変化を簡潔に評価できる体力テスト項目を開発することを目的とした.対象者は,特別養護老人ホームヘデイサービスを受けるために訪れる65歳以上の在宅老人女性76名で1993年調査時の年齢は65〜90歳77.4±6.1歳であった.
 1年後に手畏的ADLが追跡できた対象者数は71名(93.4%)であり,手段的ADL,体力テストともに追跡できた対象者数は66名(86.8%)であった.1年後に手段的ADLが低下した者は14名(19.7%),維持・向上者は57名(80.3%)であった.体力テストの1年間の変化は,長座位体前屈値のみ5.0cmから6.8cmへと成績が有意に向上していた(P<0.01).
 手段的ADL総合点低下と体力テスト間のクロス集計分析の結果は,閉眼片足立ち時間と膝上げテストのリスク比が3.57(95%信頼区間1.06-11.99)と最も高く,かつ統計学的に有意性が認あられ,リスク比の低いテストとして体重とBMIがそれぞれ0.73(95%信頼区間0.28-1.92),0.97(95%信頼区間0.37-2.53)であり,老年期における手段的ADLの低下を評価するには,閉眼片足立ち時間と膝上げテストが有効であることが認められた.

「デサントスポーツ科学」第16巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 青山英康*1, 内田勇人*2, 三野善央*1, 甲田茂樹*3, 馬場園明*4
大学・機関名 *1 岡山大学, *2 姫路工業大学, *3 高知医科大学, *4 九州大学

キーワード

在宅老人女性ADL体力テスト日常生活動作能力