信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 暑熱および寒冷下における高齢者運動時の体温調節と着衣行動

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.17 Vol.17

 高齢者のゲートボール競技時の着衣実態と,そのときの発汗量・水分補給量を夏期(8月)と秋期(11月)にフィールドで調査・測定した.被験者は,高齢者男女9名であり,夏期・秋期の実験にはそれぞれ7名が参加した.平均年齢は夏期70(58〜82)歳秋期72(65〜82)歳であった.また,衣服の機能性に関する問題点を神戸市近郊のゲートボール愛好者男女38名(平均年齢:69歳)に面接調査した.夏期の発汗量および飲水量はそれぞれ,6.0±1.0g/kg/h(平均±標準偏差),3.4±2.6g/kg/hであり,秋期の1.0±0.3,0.9±0.8g/kg/hと比較して有意に多かった.飲水量の個人差は大きかったが,発汗量に見合う飲水はできていない者が多かった.熱障害の予防の点から給水に対する指導が必要であると考える.着衣量は夏期0.52clo(平均),秋期1.20clo(同)であった.衣服の問題点に関する面接調査では,サイズに関することが49%と最も多かった.中高年の体型変化に対応した衣服設計が望まれる.

「デサントスポーツ科学」第17巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 今村律子*1, 柴田祥江*2, 井上芳光*3, 平田耕造*4
大学・機関名 *1 大阪教育大学, *2 兵庫県立生活科学研究所, *3 神戸大学, *4 神戸女子大学

キーワード

高齢者ゲートボール着衣発汗量水分補給量