信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 抹消血液量のゆらぎからみた老人の体温調節機能

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.17 Vol.17

 本研究では,老化に伴う体温調節能の機能低下を皮膚血流量のゆらぎから推測できるか否かを検討することを目的とした.年齢61から83歳の高齢者22名(A群)と健康な大学生14名(Y群)を被験者とし,安静下における心拍変動および前額皮膚血流量のゆらぎをスペクトル解析し,その成分分離と各成分の積分値からゆらぎの強さを判定した.心拍ゆらぎはA群に比べY群が有意に大きい.また低周波ゆらぎ(LFF),呼吸性ゆらぎ(RSF)の積分値もY群が有意に高かった.LFF/RSFの値はA群が高い傾向にある.一方皮膚血流量については,平均血流量,各ゆらぎ成分の積分値ともA群が高い傾向を示し,とくに心拍同期ゆらぎ(CSF)がY群に比べ有意に高かった.心拍ゆらぎと皮膚血流のゆらぎの大きさには,有意な関係は認められない.以上から,皮膚血流のゆらぎから老化による体温調節機能の低下を認めることはできなかった.

「デサントスポーツ科学」第17巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 安田好文
大学・機関名 豊橋技術科学大学

キーワード

老化体温調節能皮膚血流量スペクトル解析