信州大学 繊維学部技術データベース

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PDF 食塩摂取の組織カテコラミンと運動機能に与える影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.17 Vol.17

 生命維持に不可欠なNaCl摂取の組織カテコラミン濃度(tNA)と運動機能に対する影響を調べた.塩感受性ラット(DSS)と非感受性ラット(DSR)を正常食(0.4%食塩含有)あるいは高食塩食(8%食塩含有)にて飼育し,tNAの変化を測定した.DSSのtNAは,8%食塩食にて顕著に低下した.tNAの低下に臓器間格差があった.この低下に対する圧受容器反射の関与を調べるため,圧受容器を除神経した後,同様の実験を行った.圧受容器の除神経により,8%食塩食摂取によるtNAの減少は見られなくなった.塩摂取に伴うtNAの減少が,哺乳動物のみに見られる現象か否かを調べるため,海,河口と摺に遡上したサケのtNAを測定した.川のサケのtNAは顕著に上昇した.高食塩摂取の運動機能に対する影響を調べた.高食塩摂取により運動量は減少し,体重も減少した.摂取量は減少しなかったので,体重の減少は腸管からの吸収抑制による.以上より,高食塩食はtNAを低下させ運動量を減少させる.

「デサントスポーツ科学」第17巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 細見弘*1, 根木哲朗*1, 森田啓之*1, 陳慶輝*1, 西田育弘*1, 岡田泰士*2
大学・機関名 *1 香川医科大学, *2 香川大学

キーワード

NaCl摂取組織カテコラミン濃度運動機能圧受容器反射