跳躍能力向上のためのネガティヴ負荷トレーニング法の研究
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.17 Vol.17】
跳躍能力は,重要な基本的体力要素である.この能力のトレーニング法の研究は,脚筋力の強化に関したものがほとんどであるが,本研究では跳躍者をゴムロープで上方にけん引して自重による負荷を減少し,より速いスピードでの跳躍を体感させるスピードトレーニング法(ネガティヴ負荷トレーニング法)に着目した.
被験者は女子短期大学バスケットボール部員10名を5名ずつ2群に分けた.トレーニングは全力での垂直跳を1日10回,週3日の頻度で8週間行った.一方の群はフリージャンプ,他方の群は体重の10%を軽減したネガティヴ負荷法でのジャンプを行い,垂直跳計とフォースプレートによる計測を実施した.トレーニングによってネガティヴ負荷群では垂直跳高が有意に増加(P<0.05)した.フリージャンプ群との比較でネガティヴ負荷群は,キック時間が有意に増加(P<0.05)し,キック中の重心移動距離も同様に有意に増加(P<0.01)した.しかしながら,平均パワーでは,両群とも有意な増減はなかった.
以上の結果,ネガティヴ負荷トレーニング法の有効性が確認された.また,跳躍高の増加は,パワーアップによるものではなく,反動動作での沈み込みが深くなり,キックカの作用時間が延長されることによることが示唆された.
「デサントスポーツ科学」第17巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
被験者は女子短期大学バスケットボール部員10名を5名ずつ2群に分けた.トレーニングは全力での垂直跳を1日10回,週3日の頻度で8週間行った.一方の群はフリージャンプ,他方の群は体重の10%を軽減したネガティヴ負荷法でのジャンプを行い,垂直跳計とフォースプレートによる計測を実施した.トレーニングによってネガティヴ負荷群では垂直跳高が有意に増加(P<0.05)した.フリージャンプ群との比較でネガティヴ負荷群は,キック時間が有意に増加(P<0.05)し,キック中の重心移動距離も同様に有意に増加(P<0.01)した.しかしながら,平均パワーでは,両群とも有意な増減はなかった.
以上の結果,ネガティヴ負荷トレーニング法の有効性が確認された.また,跳躍高の増加は,パワーアップによるものではなく,反動動作での沈み込みが深くなり,キックカの作用時間が延長されることによることが示唆された.
「デサントスポーツ科学」第17巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 笹山哲, 井街悠, 山下謙智 |
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大学・機関名 | 京都大学 |
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