信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 高齢者の抑鬱性低減に及ぼすスポーツ活動の相対的影響度に関する研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.17 Vol.17

 高齢者870名(男性408名,女性462名)を対象に抑うつ性低減に及ぼす運動・スポーツの相対的影響度を質問紙調査で調べた.併せて,因果関係の方向を明確にするために,81名(男性33,女性48)の対象者をケース・スタディとした縦断的研究を行った、その結果,以下のことが明らかになった.
 1)男性高齢者のSDS平均得点と標準偏差は34.70±6.83で,女性高齢者は37.84±7.36であった.
 2)高齢者の抑うつ度に対する年収,入院期間,受医療頻度,ストレス影響度,ADL,運動・スポーツ活動,諸活動参加とソーシャル・サポートの8要因の関連を重回帰分析した結果,男性の重相関係数は,R=0.406(R²=0.165)で,女性の重相関係数は,R=0.543(R²=0.294)であった.
 3)高齢者の抑うつ性低減に対して,運動・スポーツ活動の相対的な貢献度は,男性で0.06%(決定係数に対する割合で0.3%),女性で0.8%(決定係数に対する割合で2.7%)であった
 4)ほぼ6ヵ月間にわたる定期的な運動・スポーツ活動によって,男性では抑うつ度が低減する傾向を示し,女性では抑うつ度が有意に低減した.

「デサントスポーツ科学」第17巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 青木邦男, 松本耕二
大学・機関名 山口女子大学

キーワード

高齢者抑うつ運動スポーツうつ病