信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 閉経後女性の脂質特性,性ホルモン,およびメンタルフィットネスに及ぼす水泳トレーニングの影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.17 Vol.17

 本研究の目的は,座位がちな高齢女性(平均年齢63.5歳n=13)の脂質代謝,性ホルモンおよびメンタルフィットネスに及ぼす水泳を中心とした持久性トレーニングの影響を検討することである.トレーニングの内容は,5分間のストレッチング,15分間の自転車エルゴメータ運動,および60分間の水中・水泳運動であった.運動は,個人の最大酸素摂取量(Vo₂max)の50%に相当する強度とし,このような運動を週2回,5ヵ月間実施した.トレーニング後に,体重やVo₂maxは変化しなかったけれど,体脂肪率やヒップの周径囲りは有意に減少した.総コレステロール,中性脂肪,HDLコレステロール(HDL-C),HDL2-C,およびHDL3-Cは変化しなかった.
 一方,アポ蛋白A1やアポB水準は有意に増加した.血清エストラディオール,性ホルモン結合グロブリン(SHBG)は変化しなかったけれども,血清遊離テストステロン濃度は有意に低下した.タイプA行動特性スコアーおよび精神的健康パターンには,トレーニング後に有意な変化は認めなかった.これらの結果から,本トレーニングに参加した高齢女性の脂質代謝および精神的健康度は,トレーニング前にすでに良好な状態にあり,その状態は本トレーニングプログラムによって変化しなかった.

「デサントスポーツ科学」第17巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 熊谷秋三*1, 花村茂美*1, 佐々木悠*2, 森山善彦*3
大学・機関名 *1 九州大学, *2 福岡大学, *3 正樹会佐田病院スポーツ医科学研究所

キーワード

座位がち高齢女性脂質代謝性ホルモンメンタルフィットネス水泳持久性トレーニング