信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 競泳用水着の材質,サイズ,カットの違いが水泳中のエネルギー消費量に与える影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.17 Vol.17

 本実験の目的は,水着の材質,カット,サイズの違いが,動的抵抗を指標とした水泳運動中のエネルギー消費量,ならびに泳記録に及ぼす影響を明らかにすることであった.被検者は女子大学水泳選手8名とし,実験には材質,カットの異なる4種類の水着が用いられた.酸素摂取量は,0.80,0.90,1.00m・sec⁻¹の3つの異なる流速において自動代謝測定装置によって測定された。さらに,水着の抵抗と,50m全力泳の記録が測定された.その結果,水着自体の抵抗値と最大下の流速における酸素摂取量,および泳記録には有意な関係は認められなかった.また,同一流速における酸素摂取量が相対的に小さかった水着で泳いだ場合,泳記録が相対的に良いという有意な相関関係が得られた.本実験の結果は,水着の材質の差は水泳中の動的抵抗や泳記録に反映するほど大きくないこと,そして体型や動きに対して抵抗を小さくするような水着が個々に存在し,それを選択することが重要であることを示唆するものであった.

「デサントスポーツ科学」第17巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 萩田太, 田中孝夫, 田口信教
大学・機関名 鹿屋体育大学

キーワード

水着動的抵抗水泳運動エネルギー消費量全力泳抵抗値最大下の流速