信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

高分子分散剤によるセルロースナノファイバーの高度利用:高性能複合材料の開発

【大分類:1. 繊維・高分子素材 中分類:1.1 天然系 小分類:1.1.1 セルロース系

 セルロースナノファイバー(CNF)は高弾性率・高強度・軽量・低熱膨張性・透明性などの優れた物性を有し、かつ圧倒的資源量と再生産可能性の観点から、近年注目を集めるナノ材料である。CNF製造技術は成熟の一途をたどりつつあり、さらなる発展に向け、応用開発が急務である。そうした取り組みの中、プラスチック製品の軽量化・省石油資源化による温室効果ガスの削減を目的とした、CNF強化樹脂複合材料の開発に大きな期待が寄せられている。ただし、CNFを軽量高強度材料に活用するためには、三つの大きな課題:①低コスト製造方法の確立、②CNFの樹脂内分散化、③CNF/樹脂界面の補強、が存在する。当研究グループでは、CNF用高分子分散剤を設計、活用することで、簡便な方法でCNF強化樹脂複合材料の創製に成功した。近年の精密重合法の発展により、高分子分散剤の高度な設計・合成が可能となっていることが大きな技術基盤である。

【主要参考文献】
① 榊原圭太、小西京子、加賀田秀樹、青柳太洋、今井貴宏、辻井敬亘、矢野浩之、「高分子分散剤を用いたセルロースナノファイバー強化樹脂材料の開発」、プラスチック成型加工学会年次大会2013、B-217、2013年5月21~22日、東京。
成型加工学会2013_要旨
② 榊原圭太、「ポリマーブラシの特性を活かしたセルロースナノファイバー複合材料の開発」、繊維と工業(繊維学会誌)、特集〈次世代を担う若手研究者たち2−がんばる若手研究者〉、70、276-280 (2014).
繊維と工業_榊原

アンケート調査(2014年)/信州大学繊維学部Fii
研究者名 辻井敬亘
大学・機関名 京都大学 化学研究所

キーワード

セルロースナノファイバー(ナノ繊維)精密重合表面改質コンポジット(複合体 複合材 複合材料)