信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 加速度計を用いたバイオフィードバック用センサシステムの開発

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.29 Vol.29

 一般に身体に直接センサを埋め込むことが困難なため,オンラインで運動中の身体や道具に作用する内力やトルクを計測することは困難である.そこで,それらを計測するために,複数の加速度計を用いたダイナミクスモデルベースの力覚センサの開発を行っている.運動中のそれらのオンライン計測が可能となれば,ダイナミック・シミュレーションの入力デバイスなど様々な応用が期待される.本研究ではスポーツなどの身体運動のスキルを獲得する目的のトレーニングにおいて,有益な情報をバイオ・フィードバックするセンサシステムとして,加速度計を用いたハンマー投げ競技用の計測システムを開発した.
 このシステムは,ハンマーに装着されるセンサ部,ウエアラブルで無線機能を有するデータロガー,信号処理し音に変換するバイオフィードバック・システムから構成される.センサ部は複数の加速度計から構成され,動力学計算に適した運動学データを計測する.ここでは,ハンマー競技へのバイオフィードバックを考慮し,回転力(角加速度)の計測を中心に行った.無線データロガーは選手のケーブルによる負担を軽減し,さらにオンラインでのフィードバックを可能とする.
 一般に,スキル・トレーニングにおいて重要な情報は運動のダイナミクスに関連することが多く,これを適切に抽出し,選手にオンラインでフィードバックすることが重要である.本研究で開発した装置は複数の加速度計を組み合わせてダイナミクスの計算に必要な運動学情報を計測し,オンラインで選手にバイオフィードバックする点に特徴があり,これがバーチャルな感覚器官としてトレーニング時に効果的に作用する期待がある.

「デサントスポーツ科学」第29巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 太田憲,宮地力
大学・機関名 国立スポーツ科学センター

キーワード

加速度計力覚センサバイオ・フィードバックバイオ・フィードバックスキル・トレーニング