方向転換走能力を決定する要因の探索
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.34 Vol.34】
要旨
本研究は,方向転換走能力の決定要因について,方向転換走タイムと脚伸展パワーおよび選択反応時間との関連から明らかにすることを目的とした.被検者は大学サッカー選手であった.方向転換走は転換する方向(前後左右の4方向)が事前に指示されない条件(予測不可条件)および事前に指示される条件(予測可能条件)の2条件で行った.両条件での直線走および方向転換走タイムを光電管で測定した.さらに,等速性最大脚伸展パワーおよび全身反応による単純および選択反応時間も測定した.予測不可条件での走タイムは,方向に関係なく予測可能条件よりも遅かった.測定値間の内部整合性を示すCronbach's αは0.70よりも小さく,各条件における走タイムは互いに代替することができないことが示唆された.予測不可条件での走タイムと体重当たりの脚伸展パワーとの関係は有意であり,予測可能条件でのそれらの関係とは異なった.また,両条件間の走タイムの差と選択反応時間との間に有意な相関関係は認められなかった.以上の結果から,1)予測不可条件での方向転換走能力の決定要因は,予測可能条件でのそれと異なること,および2)予測不可条件の方向転換走能力は脚伸展パワーと関連するが,選択反応時間とは関係しないことが明らかになった.
「デサントスポーツ科学」第34巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
本研究は,方向転換走能力の決定要因について,方向転換走タイムと脚伸展パワーおよび選択反応時間との関連から明らかにすることを目的とした.被検者は大学サッカー選手であった.方向転換走は転換する方向(前後左右の4方向)が事前に指示されない条件(予測不可条件)および事前に指示される条件(予測可能条件)の2条件で行った.両条件での直線走および方向転換走タイムを光電管で測定した.さらに,等速性最大脚伸展パワーおよび全身反応による単純および選択反応時間も測定した.予測不可条件での走タイムは,方向に関係なく予測可能条件よりも遅かった.測定値間の内部整合性を示すCronbach's αは0.70よりも小さく,各条件における走タイムは互いに代替することができないことが示唆された.予測不可条件での走タイムと体重当たりの脚伸展パワーとの関係は有意であり,予測可能条件でのそれらの関係とは異なった.また,両条件間の走タイムの差と選択反応時間との間に有意な相関関係は認められなかった.以上の結果から,1)予測不可条件での方向転換走能力の決定要因は,予測可能条件でのそれと異なること,および2)予測不可条件の方向転換走能力は脚伸展パワーと関連するが,選択反応時間とは関係しないことが明らかになった.
「デサントスポーツ科学」第34巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 高井洋平,青木竜,同塩川勝行,吉武康栄,金久博昭 |
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大学・機関名 | 鹿屋体育大学 |
キーワード