信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 使用者の意図を推定するインテリジェント・トレッドミルの開発とこれを用いた運動効果の検証

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.34 Vol.34

 要約

 高齢化の進行する現代において,クオリティ・オブ・ライフを維持・改善することの重要性が日々高まっている.定期的に運動を行うことの重要性が認識され,手軽に実施できる運動としてウオーキングやランニングを行う人口が増えている.室内での歩行・走行動作のトレーニングにおいてはトレッドミルが良く用いられる.一般的にトレッドミルを用いる際には,目標とするベルト駆動速度をボタン等を用いて手動で設定し,その後に使用者がその一定速度に合わせて歩行・走行動作を行う.これは通常の環境で歩行・走行を行う際とは異なるものである.通常の環境での歩行・走行動作においてはその速度は必ずしも一定ではなく,ばらつきが存在する.これは歩行者・走者の加速・減速意図に応じて時々刻々速度が調節されているためである.本研究ではこの問題に取り組み,使用者の意図を推定して歩行・走行速度を調節するインテリジェント・トレッドミルを開発した.トレッドミルに内蔵される6軸の力センサを用いて,床反力の波形を解析し加速・減速の意図を推定するアルゴリズムを構築した.また歩行・走行動作を判別することも可能にした.これにより静止状態から開始して,徐々に歩行速度を増加させ,走行動作に遷移したのち更に速度を変化させるという一連の動作をシームレスに行う事が可能になった.これは従来のトレッドミルの使い勝手を大幅に向上させるものである.

「デサントスポーツ科学」第34巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 長野明紀
大学・機関名 神戸大学大学院

キーワード

クオリティ・オブ・ライフトレッドミル力センサ