信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 水平面の力変動から膝関節周りの筋の至適方位を定量する

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.34 Vol.34

 要約

 本研究は,大腿四頭筋の水平面上における至適方位を定量するために,張力変動と筋電図活動の相互関係に着目した.被検者は,7方向(0度から180度)に設定された目標張力にできるだけ発揮張力を一致させる力調節課題をそれぞれ約30秒間行った.大腿直筋(RF; rectusfemoris),中間広筋(VI; vastus intermedius),外側広筋(VL; vastus lateralis),内側広筋斜頭(VMO;vastus medialis obliquus),内側広筋長頭(VML;vastus medialis longus)より表面筋電図(EMG;electromyogram)を導出した.発揮張力系列と筋電図系列の相互相関解析に基づくEWA(EMGweighted averaging)法により筋の至適方位を算出した.RF,VI,VL,VMLの水平面の至適方位は,それぞれ93.6度,54.7度,94.8度,68.4度となった.VMOは0度から180度にまんべんなく至適方位が分布していた.これら結果より,大腿四頭筋を構成する筋は膝を伸展するという同じ役割であるにも関わらず,個々の至適方位は異なった.そして,その至適方位は,解剖学的,生理学的,バイオメカニクス的,神経生理学的根拠に基づいて決定していることが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第34巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 神﨑素樹,萩生翔大
大学・機関名 京都大学大学院

キーワード

大腿四頭筋至適方位筋電図