信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 関節マーカーと3DMRI を用いた変形性膝関節症保存療法の個別化治療モニタリング

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.46 Vol.46

 要旨

 【対象と方法】
 安定期変形性膝関節症(膝OA)患者の内,本研究に同意を得た7名を対象とした.研究開始時と3ヶ月後に臨床評価,MRI撮像と採血を行い,血清COMP値を測定した.臨床評価,日常の活動指標(1日歩数や距離) ,軟骨体積,血清COMP値の相関を検討した.
 【結 果】
 すべてlow impact sportsの症例であった.血清COMP値が増えると軟骨体積が減るという負の相関傾向を認めたが,その他の日常の活動指標,臨床評価,筋力とは相関を認めなかった.自覚的膝臨床評価( KOOS;点数が高い方が成績がよい)の変化量は2ステップテスト(数字が高いほうが機能がよい) の変化量と正の相関,ロコモ25(点数低い方がロコモ度が低い)の変化量と負の相関を認めた.
 【考察と結論】 
 血清COMP値は早期OA変化を検出できるとされている.本研究においても血清COMP値変化量は軟骨摩耗量を反映しており,軟骨摩耗変化を鋭敏に検出できることが示された.一方,血清COMPと臨床評価が相関しなかった.本症例はlow impact sportsを行う者に限られ,急速な増悪症例は存在しなかったためと考えられる.

 「デサントスポーツ科学」 第46巻/公益財団法人石本記念デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 橋本祐介*1, 前島悦子*1, 西野壱哉*2, 飯田 健*2, 荻 久美*2
大学・機関名 *1 大阪体育大学, *2 大阪公立大学

キーワード

変形性膝関節症運動療法血清COMP値軟骨体積個別化保存治療モニタリング