信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF バドミントン競技用車いす開発のための片手チェアワークによる駆動特性評価

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.44 Vol.44

 要旨

 本研究では,片手駆動で直進可能な競技用車いすとバドミントン競技用車いすを対象として,車いすバドミントン競技の基本動作でもある前進と後退駆動時の筋活動を,表面筋電図(sEMG)から算出した積分筋電図(iEMG)をもとに評価した.測定対象の筋部位は,深指屈筋,上腕二頭筋,上腕三頭筋,三角筋,大胸筋とした.研究協力者は,神経および筋疾患の無い健常成人男性10 名(22.2 ± 0.4 歳,173.7 ± 1.4 cm,64.5 ± 2.4 kg)であった.実験結果より,片手直進駆動では前進と後退ともにすべての筋部位にて筋活動がバドミントン競技用車いす使用時と比べて増加する傾向を示した.また,筋部位別の多重比較結果より,前進駆動では深指屈筋,上腕二頭筋,上腕三頭筋および大胸筋に有意差(p<0.05)が観察された.一方,後退駆動では深指屈筋,上腕三頭筋および三角筋に有意差(p<0.05)が観察された.以上より,バドミントン競技特有の片手チェアワークにおける推進力の維持とその繰り返しには,特に深指屈筋と上腕三頭筋が重要な役割を担うことを明らかにした.

 「デサントスポーツ科学」 第44巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 大橋智志*1, 塩野谷明*1, 永森正仁*1, 内山尚志*1, 監物勇介*2
大学・機関名 *1 長岡技術科学大学, *2 株式会社パルメソ

キーワード

競技用車いすバドミントンハンドリム表面筋電図積分筋電図