信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 超小型車載型MRI によるフィールド野球肘検診と,外側型野球肘病態解明の試み

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.43 Vol.43

 要旨

 緒言:日本の少年野球では投球酷使,つまり野球肘にて肘を相当に傷めてしまうことが最も問題である.従って我々は超小型車載型MRIを制作し,フィールド型野球肘検診を開始した.主目的は外側型野球肘の早期発見にあり,その結果や投球動作解析結果をもとに外側型野球肘の病態解明を試みた.
 方法:野球フィールドで151名の少年野球選手の肘関節MRIを撮影した.超音波および投球動画の撮影を行い,動作解析を行った.
 結果:まだ被験者が少ないため有意な結果は認められなかったがMRI野球肘検診の方が外側型野球肘を早期に発見しやすい傾向が認められた.投球動作と肘障害に関してはまだ関連性の有無は言及しがたい.
 考察と結語:初期像のサイズや分布,ステージなどは今までの外側型野球肘の主たる原因と想定していたものとはやや異なる結果であった.本検診を毎年同じチームで行うことで将来的に外側型野球肘の発症要因が明らかとなる可能性があると考える.

 「デサントスポーツ科学」 第43巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 岡本嘉一, 寺田康彦, 小川健, 川村卓
大学・機関名 筑波大学

キーワード

少年野球超小型MRIフィールド野球肘検診外側型野球肘動作解析