信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 異なる接地パターンが足部に作用する力に及ぼす影響-足部ランニング障害予防のための接地方法の提案-

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.38 Vol.38

 要旨

 地面反力はランニング障害のリスク評価に広く用いられている.しかし,地面反力は障害が起きる部位に作用する力と必ずしも一致しない.本研究では,異なる接地パターンが足部に作用する力および関連する力学変数へ及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.男性ランナー9名を対象とし,前足部接地,中足部接地および後足部接地による走行を3.3m/sの走速度にて実施した.光学式モーションキャプチャおよびフォースプレートを用いて,下肢に貼付した反射マーカの3次元位置座標および地面反力を取得した.足部の並進および回転の運動方程式を解くことで,アキレス腱張力および足関節の関節間力を算出した.アキレス腱張力および関節間力は,前足部接地にて最も高い値を示し,中足部接地,後足部接地の順で低値を示した.その主要因として,アキレス腱モーメントアームが接地パターン間で差がなかったこと,地面反力のモーメントアームが前足部接地,中足部接地,後足部接地の順で高値であったことが挙げられる.

「デサントスポーツ科学」第38巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 橋詰賢
大学・機関名 産業技術総合研究所

キーワード

逆動力学アキレス腱張力関節間力モーメントアーム力学的優位性