信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 低酸素環境下での骨格筋電気刺激が動脈スティフネスと糖代謝に及ぼす影響-運動様刺激を用いたより簡単に効果が得られる健康増進方法の開発・提案-

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.38 Vol.38

 要旨

 【目的】低酸素環境下での一過性の骨格筋電気刺激が動脈スティフネスと糖代謝に与える影響について検討した.【方法】健康な成人7名に対し,常酸素安静,低酸素安静,常酸素電気刺激,低酸素電気刺激の4試行を行った.低酸素では15.3-15.5%O₂の低酸素ガスを吸入させ,電気刺激では下肢に4Hzで刺激した.【結果】常酸素安静,低酸素安静条件では変化がなかったが,電気刺激の条件で動脈スティフネスの低下が認められ,低下率を比較すると,低酸素条件の方が大きな低下だった.さらに,低酸素電気刺激条件では,常酸素条件の場合よりも,血中乳酸濃度や呼吸交換比が有意に高い値を示した.【結論】本結果は,低酸素環境下で一過性の骨格筋電気刺激を行うと,通常環境下で同じ電気刺激を行うよりも,1)動脈スティフネスをより低下させること,2)電気刺激時のエネルギー基質としての糖質の利用をより促進させる可能性,を示唆するものであった.

「デサントスポーツ科学」第38巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 西脇雅人*1, 藤林真美*2, 松本直幸*3
大学・機関名 *1 大阪工業大学, *2 摂南大学, *3 熊本県立大学

キーワード

動脈スティフネス低酸素電気刺激運動