生物学コースの東城幸治教授を含む研究グループが、コガタノゲンゴロウ(長野県では絶滅)は他種よりも高水温への適応力や飛翔力の強さから、西日本を中心に分布拡大傾向にあることを解明しました。
2024年2月27日
【研究のポイント】
・観察実験でコガタノゲンゴロウは、他種のゲンゴロウよりも飛翔しやすいことが明らかとなりました。
・3種のゲンゴロウについて、分子系統解析を行ったところ、それぞれの飛翔頻度の高低と地域的な遺伝的分化の大小が相関していることが判明しました。
・これらの結果から、コガタノゲンゴロウは他種のゲンゴロウよりも活発に飛翔することで、分布域を拡大させていることが示唆されます。
【概要】
国立大学法人長崎大学教育学部の大庭伸也准教授と広島修道大学人間環境学部の鈴木智也助教(信州大学大学院・修士・博士課程修了)、信州大学学術研究院理学系の東城幸治教授らの研究グループは、2010年頃から西日本各地で増加・新たな分布記録が確認されるようになったコガタノゲンゴロウが、他種のゲンゴロウよりも飛翔しやすく、国内全域の集団間に遺伝的分化が殆どないことを初めて明らかにしました(下図)。この結果は、コガタノゲンゴロウが近年急速に分布を拡大させていることを示唆します。
・観察実験でコガタノゲンゴロウは、他種のゲンゴロウよりも飛翔しやすいことが明らかとなりました。
・3種のゲンゴロウについて、分子系統解析を行ったところ、それぞれの飛翔頻度の高低と地域的な遺伝的分化の大小が相関していることが判明しました。
・これらの結果から、コガタノゲンゴロウは他種のゲンゴロウよりも活発に飛翔することで、分布域を拡大させていることが示唆されます。
【概要】
国立大学法人長崎大学教育学部の大庭伸也准教授と広島修道大学人間環境学部の鈴木智也助教(信州大学大学院・修士・博士課程修了)、信州大学学術研究院理学系の東城幸治教授らの研究グループは、2010年頃から西日本各地で増加・新たな分布記録が確認されるようになったコガタノゲンゴロウが、他種のゲンゴロウよりも飛翔しやすく、国内全域の集団間に遺伝的分化が殆どないことを初めて明らかにしました(下図)。この結果は、コガタノゲンゴロウが近年急速に分布を拡大させていることを示唆します。
【論文情報】
Ohba S1, Suzuki T2, Fukui M1, Hirai S1, Nakashima K1, Bae YJ3, Tojo K4 (2024) Flight characteristics and phylogeography in three large-bodied diving beetle species: Evidence that the species with expanded distribution is an active flier. Biological Journal of the Linnean Society, Early View
著者の所属と名前:
1:長崎大学教育学部
大庭伸也、福井瑞生(18年度卒)、平井祥子(15年度卒)、中島かりん(14年度卒)
2:広島修道大学人間環境学部
鈴木智也
3:高麗大学校(韓国)
Yeon Jae Bae
4:信州大学学術研究院理学系
東城幸治
【論文(英文)ダウンロード】
https://doi.org/10.1093/biolinnean/blae017
【関連リンク】
プレスリリース「温暖化に伴い分布拡大をしているコガタノゲンゴロウは他種のゲンゴロウよりも飛翔しやすいため広範囲に移動分散していることを解明」(長崎大学)
Ohba S1, Suzuki T2, Fukui M1, Hirai S1, Nakashima K1, Bae YJ3, Tojo K4 (2024) Flight characteristics and phylogeography in three large-bodied diving beetle species: Evidence that the species with expanded distribution is an active flier. Biological Journal of the Linnean Society, Early View
著者の所属と名前:
1:長崎大学教育学部
大庭伸也、福井瑞生(18年度卒)、平井祥子(15年度卒)、中島かりん(14年度卒)
2:広島修道大学人間環境学部
鈴木智也
3:高麗大学校(韓国)
Yeon Jae Bae
4:信州大学学術研究院理学系
東城幸治
【論文(英文)ダウンロード】
https://doi.org/10.1093/biolinnean/blae017
【関連リンク】
プレスリリース「温暖化に伴い分布拡大をしているコガタノゲンゴロウは他種のゲンゴロウよりも飛翔しやすいため広範囲に移動分散していることを解明」(長崎大学)