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生物学コース 高梨功次郎准教授らの研究グループが、コケ植物のフラボノイド生合成酵素を同定しました。

2023年3月24日
高梨功次郎 理学科生物学コース准教授の研究室では、久保浩義 同教授、渡辺文太 東京慈恵会医科大学准教授、中山亨 東北大学教授、和氣駿之 同助教との共同研究において、ゼニゴケが生産するフラボノイドの生合成酵素(MpAS1)を同定しました。

【研究成果のポイント】
・コケ植物のオーロン生合成酵素 (MpAS1) を同定しました。

・コケ植物と維管束植物の間でオーロン生合成能力獲得に向けた酵素の平行進化があったことを明らかにしました。
およそ4億5千万年前に植物が水中から陸上に進出した際に、乾燥やUVなどの陸上ならではのストレスに対処するためにフラボノイドが作られるようになったと推測されています。
コケ植物と維管束植物は同じような構造を有するフラボノイドを生産しますが、その生産方法はそれぞれの植物が独自に獲得したと考えられていました。

本研究において研究グループは、フラボノイドの一種であるオーロンの生産をゼニゴケではポリフェノールオキシダーゼという酵素が行うことを明らかにしました。維管束植物が生産するオーロンの一部は同じポリフェノールオキシダーゼの仲間によって合成されますが、その進化プロセスが異なることから、コケ植物と維管束植物の間でオーロン生合成能力を獲得するためのポリフェノールオキシダーゼの平行進化があったことが明らかになりました。
本成果をまとめた論文は日本植物生理学会が発行する Plant & Cell Physiology 誌に掲載予定で、先行して同誌電子版に3月24日より公開されています。

【論文タイトルと著者等】
タイトル:A Polyphenol Oxidase Catalyzes Aurone Synthesis in Marchantia polymorpha
著者:
古舘拓来 (信州大学)
眞辺美咲 (信州大学)
押切春佳 (信州大学)
松下紋子 (信州大学)
渡辺文太 (東京慈恵会医科大学)
和氣駿之 (東北大学)
中山亨  (東北大学)
久保浩義 (信州大学)
高梨功次郎(信州大学)

掲載誌:Plant & Cell Physiology
DOI:10.1093/pcp/pcad024

【論文詳細ページ】
Plant & Cell Physiology
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