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大学院総合医理工学研究科博士課程(研究当時)浦井 暖史さん(物質循環学コース 朴 虎東 研究室)を含む研究グループが諏訪湖表層でのメタン生成現場の実態について解明しました。

【概要】
大学院総合医理工学研究科博士課程(研究当時)の浦井 暖史さん(物質循環学コース 朴 研究室)を含む研究グループは、諏訪湖で採取したシアノバクテリアブルーム(アオコ)を用いた分析を行い、アオコの中でメタン生成アーキアが存在し、メタンを生産し続けていることを明らかにしました。
自然界で放出されるメタンの約7割は「メタン生成アーキア」と呼ばれる微生物が嫌気環境下で生産しています(2021年1月12日既報*1:Urai et al., ACS Earth Space Chem., 2021)。一方で、表層水圏における好気環境下でのメタン濃度の極大が報告されており、この現象は「メタンパラドックス」と呼ばれています。近年では、シアノバクテリアとメタン生成アーキアとの共生が提唱されていますが、その詳細なメカニズムは、まだ謎に包まれています。
そこで本研究では、メタン生成アーキアに特有な補酵素であるF430分子の微小スケール分析などを行った結果、アオコ試料から有意な濃度のF430を世界で初めて検出し、諏訪湖の表層水には高い活性を持つメタン生成アーキアが存在することを示しました。本成果により、シアノバクテリアとメタン生成アーキアによる共生関係について、さらなる知見が得られることが期待されます。

本研究は、信州大学と海洋研究開発機構(JAMSTEC)で締結している共同研究によって行われました。本成果は、日本地球惑星科学連合(JpGU)が発行する国際誌Progress in Earth and Planetary Science(PEPS)に11月6日付で掲載されました。
【論文タイトル】
Detection of planktonic coenzyme factor 430 in a freshwater lake: Small-scale analysis for probing archaeal methanogenesis

【著者】
浦井 暖史,松下 慎,朴 虎東,井町 寛之,小河原 美幸,岩田 拓記,金子 雅紀,小川 奈々子,大河内 直彦,高野 淑識
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