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物質循環学コース榊原厚一助教の研究グループが,降雨時に森林から溶存態放射性セシウムが流出するメカニズムを解明しました.

[概要]
理学科物質循環学コース 榊原厚一 助教,森林総合研究所 岩上翔 主任研究員,筑波大学生命環境系 辻村真貴 教授,恩田裕一 教授らの研究グループは,原子力発電所事故の影響を受けた森林リターを用いた放射性セシウム溶出試験と,降雨-流出イベントの水文観測を実施し,降雨時に森林から溶存態放射性セシウムが流出するメカニズムを解明しました.放射性セシウムに関して,森林リターから溶出すること,降雨時に河川水中の溶存濃度が上昇することが過去の研究から指摘されていましたが,降雨時にどのようにリター起源の放射性セシウムが河川水に付加されるかは未解明でした.このことについて,森林源流域における地下水面の上昇に起因する飽和帯の拡大により,水とリターの接触面積が拡大することが主要因であると明らかにしました.本成果は,環境中の放射性物質の動態の全容解明と,その将来予測に役立つことが期待されます.


本研究成果は,Elsevierが刊行する国際誌Science of the Total Environmentに7月8日付で掲載されました.

[論文タイトル]
Radiocesium leaching from litter during rainstorms in the Fukushima broadleaf forest

[著者]
Koichi Sakakibara, Sho Iwagami, Maki Tsujimura, Ryohei Konuma, Yutaro Sato, YuichiOnda

[論文掲載ページURL]
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0048969721040018
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