生物学コースの竹中將起特任助教、東城幸治教授らの論文が2024年Limnology Excellent Paper Awardに選ばれました。
2024年10月25日
2024年10月19日に熊本大学で開催された第88回日本陸水学会において、理学部生物学コースの竹中將起特任助教、東城幸治教授らの論文が過去2年度(2022年1月号~2023年8月号)に「Limnology」に掲載された全論文の中で最高評点を得た論文として、2024年Limnology Excellent Paper Awardに選ばれました。受賞題目は以下のとおりです。

【受賞論文】
著 者:Masaki Takenaka, Koki Yano, Tomoya Suzuki & Koji Tojo
題 名:Development of novel PCR primer sets for DNA barcoding of aquatic insects, and the discovery of some cryptic species
DOI:10.1007/s10201-022-00710-5
発表年:2023
雑 誌:Limnology 24(2): 121-136
【授賞理由】
本論文は、水生昆虫のDNAバーコーディングに有効な新規のユニバーサルPCRプライマーの開発を報告したものである。本プライマーセットの適用範囲は、水生昆虫の多様な分類群を幅広くカバーする。特筆すべきは、mtDNA 16S rRNAおよび12S rRNA領域の長断片を増幅するプライマーセットを用いて、キイロヒラタカゲロウEpeorus aesculusの隠蔽種または未記載種の存在を発見したことである。これらのプライマーセットは、水生昆虫類の分子系統解析の精度向上に資する。
さらに、本プライマーは、環境DNA手法への応用が可能である。現在、陸水生態系の生物多様性に関する調査は、水生昆虫類の種同定がボトルネックとなっている。本プライマーを用いた環境DNA手法が開発されれば、河川や湖沼の生物多様性研究が大きく進展すると期待される。論文発行後1年で1800余のアクセス数を記録したことから、その注目度の高さが伺える。また、論文としての完成度も高く評価された。
著 者:Masaki Takenaka, Koki Yano, Tomoya Suzuki & Koji Tojo
題 名:Development of novel PCR primer sets for DNA barcoding of aquatic insects, and the discovery of some cryptic species
DOI:10.1007/s10201-022-00710-5
発表年:2023
雑 誌:Limnology 24(2): 121-136
【授賞理由】
本論文は、水生昆虫のDNAバーコーディングに有効な新規のユニバーサルPCRプライマーの開発を報告したものである。本プライマーセットの適用範囲は、水生昆虫の多様な分類群を幅広くカバーする。特筆すべきは、mtDNA 16S rRNAおよび12S rRNA領域の長断片を増幅するプライマーセットを用いて、キイロヒラタカゲロウEpeorus aesculusの隠蔽種または未記載種の存在を発見したことである。これらのプライマーセットは、水生昆虫類の分子系統解析の精度向上に資する。
さらに、本プライマーは、環境DNA手法への応用が可能である。現在、陸水生態系の生物多様性に関する調査は、水生昆虫類の種同定がボトルネックとなっている。本プライマーを用いた環境DNA手法が開発されれば、河川や湖沼の生物多様性研究が大きく進展すると期待される。論文発行後1年で1800余のアクセス数を記録したことから、その注目度の高さが伺える。また、論文としての完成度も高く評価された。