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地球学コース山田昌樹助教らの研究グループが,2024年能登半島地震に伴う津波の現地調査と数値計算に基づき震源域のすべり分布を推定した研究成果を発表しました。

2025年10月20日
【概要】
 理学科地球学コースの山田昌樹助教、修士2年の前橋克哉さんらの研究グループは、2024年に発生した能登半島地震(Mw 7.5)による津波について、現地調査および数値シミュレーションを用いて震源域のすべり分布を推定する研究を行いました。本研究では、石川県能登半島北東部で津波の浸水深や痕跡を詳細に記録し、津波の規模や流れの特徴を明らかにしました(図1)。さらに,既往の地殻変動データや波形解析から提案されていた6つの震源モデルを比較検討した結果、多くのモデルが実際の津波浸水深を過小評価していることが分かりました。この原因は、海域におけるすべり量の制約が十分でないためと考えられます。そこで、研究グループは海域の断層に「高すべり域(high-slip area)」を仮定した複数のシナリオを試験し、津波浸水データとの整合性を評価しました。その結果、海底断層の一部に大きなすべりが集中するモデルが最も観測結果をよく再現することが示されました(図2)。この成果は、津波堆積物や浸水データが海底断層のすべり分布を補完的に制約する上で有効であることを示しており、地震発生メカニズムの解明や将来の津波リスク評価に重要な知見を提供します。本研究成果は、Taylor & Francisが発行する英文誌Coastal Engineering Journalに10月17日付で掲載されました。
【論文タイトル】
Constraining a high-slip offshore fault area during the 2024 Noto Peninsula earthquake using tsunami inundation data and numerical simulations

【著者】
Katsuya Maehashi(信州大学・修士2年),Hajime Naruse(京都大学),Daisuke Ishimura(千葉大学),Ryo Nakanishi(産業技術総合研究所),Yoshiaki Kiyozuka(信州大学・修士2年),Masaki Yamada(信州大学)

【URL】
https://doi.org/10.1080/21664250.2025.2574169


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